可愛い姫と池田兄弟




仕方ないから、女子更衣室から体育館に出た。


暗いけど、外の光で微かにオレンジ色に染まる体育館―…



誰もいない…




そう思った時―…







「………結月先輩…?」





体育館の中心で、なぜか上を向いて1人、立っていた。




男子なら憧れる長身
大きくて広い背中
意外と細目の長い脚
サラサラな黒い短髪



うん…結月先輩だ!




なにしてるのかな?

話かけてもいいのかな?





―ドキッ…ドキ…



心臓が大きく鼓動を始める…


恥ずかし…///


すごく大きな心臓の音…




きっと誰も居ない、静かな体育館に、響いてるんじゃないかって…不安になる。



今なら…



顔だってよく見えないし…

先輩との距離だってそれなりにある…



今、ここで…告白をして、振られたとしても…



走れば……すぐに逃げれる。




…………大丈夫…




落ち着かなきゃ…




「………ふぅ…」




深呼吸をして、私は、先輩に声が届くと思う位置まで、前に出た…







そして―…