サクラ。


「めぐが、俺のこと、そんなふうに思ってるなら、俺にとって、めぐは手の届かない、天の上の存在だよ。」

意味が、分からない。
どうして、手が届かないの…?
そんなふうに、ってあたしにどう思って欲しいの…?

あたしはここに居るのに……。


「アイちゃん、どうしたの?何か、変だよ?」

彼は、ハッとしたように、目を見開いた。


「今の、忘れて。」

剰りに強い口調だったから、思わず、頷いた。

でも、忘れない。
いや、忘れられない。


……あんな、辛そうな、悲しそうな、表情を。