「この世再び闇に染まりし時…」
「そうだ…今は祠は倉庫の中にあるが…
恐らく今がそうなのだろう…」

理事長に案内された場所…それは俺と巧が子供の頃に良く遊んでいた倉庫…
中には祠があったのは覚えている…
確か、開こうとしても扉はビクともしなかったんだけど…

「懐かしいな…オヤジには入るなって言われてたけど、
良く直哉と2人遊んだよな…
あの祠だけは開かなかったんだけど…」
「あれはこの石がないと開かない仕組みになっているからな…」
「それ…ミクロマーナーじゃない?」
「確かに…俺達が海月からもらった腕輪にはまってる石と似てる…」

理事長は祠の窪みにその石をはめた…
すると、俺達が開けようとしても絶対開かなかった扉が光を放って勝手に開いた。

「それは…」

中にあったのは明らかに天使の絵…しかも8枚羽の…
そう…海月だったんだ…

「これは、私たち大久保家を築いたと言われ、
皆が通っている海生大の初代理事長の肖像画だ…
つまり私、海月さん…桜姫の本来の姿と言う事になる…」
「そういえば、俺達が昔読んだ本って…」
「この肖像画の人物の息子…2代目理事長が遺した物だろう…」

巧が記憶を頼りにその本を倉庫の中から探し出した。

「あったここだ…
『この地に眠りし4つの大いなる力よ…
邪悪なる者の心、その力にて具現化せよ
光を司りし時の女神の名において汝に我ら裁きの光を与えん』
ここに心の雫の事も全て書いてあったんだ…」
「そうだ…確かティアが言ってた…海月の本来の姿は光を司る時の女神って…」

その後、理事長の話は続いた…
桜姫が亡くなった後、闇の生き残りが再び襲い掛かって来たのだと…

「その時に、4人の従者の子らが力を合わせて編み出したのが、この方法だ…
万が一…再び闇の生き残りが現れた時の為に遺したのだろう…」

俺達は静かにその話を聞いていた…