SPIRIT

「失礼します…夕飯持って来ました…」
「あ、ティアちゃん…」
「これ、ティアちゃんが作ったの？」
「はい…お口に合わなかったらごめんなさい…」
「そんな事ないよ！！」
「海月は作らないのな…」
「レイン様に料理作らせたら…後が怖いのでやめておきます…」
「え！？何か気になる…」
「一回見れば分かります…」

(((海月もしかして料理オンチか…)))

「もしかして…海月、料理オンチなの？」

(((直哉…一番聞き辛い事をあっさりと…)))

「直哉さん…明日レイン様に殴られますよ…」
「え！？」
「レイン様…今最上階にいらっしゃいますけど…会話丸聞こえだと思いますから…」
「最上階ってここ１階でしょ？」
「はい…レイン様犬笛も聞こえるんで…普通の会話なら１０キロくらいまでの距離なら…」
「俺でも犬笛だけは聞こえないのに…」
「輝樹…いくらお前が聴力良くても…さすがにそれは人間離れしすぎてるぞ…」

殴られるって…気にしてるって事だよな…料理くらい出来なくたって、人間欠点くらい…

「ほぉ…我の料理を食べたいのか…」
「海月…」
「どっから入ってきたんだ…」
「やめてください！！レイン様！！」
「まぁ食べたいというなら作ってやっても良いが…」
「絶対ダメです！！レイン様の場合料理を作った後よりも作ってる間が危険なんですから！！」

え！？味じゃなくて…作ってる間？
てっきり料理オンチだと思ってたけど…違うのか？

「食べたいと言ってるんだ…リクエストには答えてやらねば…」
「本気でやめてください！！レイン様に包丁使わせると危ないんですから！！」

ティアちゃんがかなり必死に止めてるけど…いったい海月に料理を作らせたらどうなるんだ…
知ってみたいような知ったらいけないような…そんな感じだな…しかしその理由は次の日知る事になる…