おばさんはああ言ったけど、本当に平気だろうか

私は不安で、王子が戻ってくるのをじっと待ち続けた


「部屋に戻ってろって言っただろ」

息をきらして王子が戻ってきた

「悪い、逃げられた
たぶん、明日の新聞か
ワイドショーに出ると思う」

「私こそ、ごめんなさい」

「俺が悪いんだ
莉緒は謝るな」

王子は笑うと私の肩を抱いてくれた

「ま、別にいいけど」

「いいんですか?」

「ああ
莉緒は一般人だから顔は出ないと思う
だから心配するな」

「でも、桜嗣が…」

「俺は平気
あー、ただ社長が問題だな」

「おばさんは平気
さっき電話したら、笑ってた」

「笑ってた?」

「うん、私と桜嗣なら怒らないって」

王子が唇の端を持ち上げると、にやりと微笑んだ

「ま、あとは…ブログだな
先手を打ってなんか書いておくか」

「いいの?」

「ああ?」

「だって付き合ってるわけじゃ…」

「今から付き合えばいいだろ
ま、莉緒がいいなら…だけど」

「私は…その…いいけど」

「なら何の問題もない」