「怖かったの
多田野先生が駅のホームにいて……腕を掴んできたの
『会いたかった』って」

「なんだって?」

王子が怖い顔をした

「あいつ、もう出所したのかよ
ふざけんなっ」

王子はぎゅっと私を抱きしめてくれた

「莉緒、怖かっただろ
もう大丈夫だから
今夜は泊って行け…ていうか、ずっとここにいろ
アパートの荷物は業者に頼もう」

王子は優しく背中をさすってくれた

王子の温かい手が私の心をいやしてくれた

安心したら、また涙が出てきた

王子の胸に顔を埋めると、声をあげて泣いた

王子が帰ってきてくれて良かった
嬉しかった