「おいっ!」

廊下に出ると王子の怒鳴り声が聞こえた

「なんですか?」

私は足を止めると部屋をのぞいた

王子はベッドの上で起き上がっていた
昨日のまんまの姿だ

上半身は裸
下半身は布団の中だから
どんな格好だかわからないけど

ちょっと刺激が強すぎる

「『じゃ、いいです』ってことはねえだろ
お前は俺を起こすんだろ?
ほら、意地でも起こせよ」

王子がベッドの上に倒れると両手を大きく広げて瞼を閉じた

「起きたじゃないですか」

王子がむすっとした顔をすると、布団を首までかけた

「ぐー、ぐー」

もしかして寝た振り?
なんで?

私は寝室のドアを閉めると、キッチンに向かった

冷蔵庫内の物品は全て、片付けるようにおばさんに言われた

そして王子が飲む飲料水とお茶を作って、冷蔵庫に入れくるようにも言われている

冷蔵庫を開ける

別にとくに何もない


水とビールくらい

ビールは良くないか
私はビールを冷蔵庫からだした

今度は冷凍庫
びっくりするくらい
アイスがびっしり入っていた

しかも全部ストロベリーアイス

「何これ…」

太った原因はこれ?

ヤケ食い?

なんでもいいけど
これはマズイでしょ

おばさんにバレたら怒られる

私はアイスを冷凍庫から出した