俺はハッと、現実に戻る。 俺は何をしているんだ。 慌てて、唇を離した。 亜姫が、驚いた顔で俺を見た。 「・・・巧??」 あの子の声が、俺の頭を支配する。 ずっとずっと逢いたかった、あの子の声が。 “巧・・・巧” 「・・・亜姫、さっきのことは忘れろ」 「・・・え??」