「綺麗だねー・・・」 亜姫が隣で、呟く。 本当に、綺麗だな。 「土手だと、もっと綺麗に見えるんだろうけど」 「いいよ。 2人で見る花火は、格別だもん」 ふと、一組のカップルが、公園の中を横切った。 2人は同い年の高校生くらいだろうか。 楽しそうに、手を握ったまま走っていく。 亜姫はじっとその後姿を見つめながら「ねぇ」と言った。