「・・・でも。 俺たちは結婚式を挙げられなかった。 子どもも、産まれなかった」 「・・・え??」 今まで口をつぐんで来た亜姫が、小さく声を漏らす。 俺は窓の外を見た。 もう6時だと言うのに、外はまだ、明るい。