「わりぃ。紅茶しかなかった」 俺は、紅茶の入ったコップを、亜姫に渡す。 「あ、ううん。 全然、大丈夫。ありがと」 亜姫が、手を伸ばして受け取った。 笑っているけれど、どこか顔が強張っている。 緊張しているのが、丸分かりだ。 俺たち2人は放課後、俺の家にいた。 考えてみれば、亜姫は、初めて俺の家に入る。 緊張してても、おかしくはない。