『あたしの名前はマリア!…君の名前は?』






「…………フェレクト」






ボソッと言ったみたいだがマリアには十分届いていた






『フェレクトね…フェートでいいかな?』







小さく頷いてくれたフェートの頭を撫でると少し戸惑ってはいたが、すぐに気持ち良さそうに目を細めていた







だんだん明かるくなってきた裏路地…それにつれて、どんどん私の服をつかんでいる手に力が入っている感じがした






『表通りは行きたくない?』






そう行ってフェートを見ると…周りが少し明るくなったため、わからなかった髪の色と目の色がはっきりしていた







思わず髪を撫でると盛大にびくつく







『綺麗な銀髪…それに、そのターコイズみたいな瞳も凄く綺麗だよ』







穏やかな笑みと、優しく撫でる手…フェートは唖然としながらこちらを見ていた







「………気持ち悪くないの?」







無表情で淡々と質問するフェートはどこか子供らしくない
きっといままでにもあんなことがたくさんあったのであろう






『どこが?全然気持ち悪くないよ!むしろ綺麗としか言いようがない!(ニコ』







屈伏のない満面の笑みで答えると少しだけ頬を染めて
『ありが…とう』
そうつぶやき胸に顔をうめてしまった