地上へと出た二人は取りあえず面倒なことは止めて正面玄関から入ることに決めた
「随分…荒らされてしまいました」
中に入ると物は壊れ壁は引っ掻き傷や血の後のようなものでいっぱいだった
『街も悲惨だったけどやっぱ城の中も凄まじいね』
「街もこのような感じなのですか?」
ルウは何年も閉じ込められていたため外の様子は分からないのだった
『飢えに苦しむ人とか、街の放火で焼け死んだ人とか沢山転がってたよ?』
けろっとした感じで話すマリアだが、内心はぶちギレ状態だ
ただ悲しいのは私ではなくルウの方だろうと思い感情のまま怒るのはやめた
「そうですか…この街の人はほとんど魔力がありませんから…きっと街からでていこともかなわなかったのでしょう」
悲しそうに瞳を伏せたルウだったがすぐに開けた
その瞳は…さっきまでの黒い瞳でなく赤く輝いていた
『!目の色が…』
「?ああ…悪魔とは感情が高まると瞳の色が変わるのですよ」
『そーなんだ!知らなかった…』
ふと…前方から何かの気配を感じ同時ににらみつけた
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