「お兄ちゃんのこと好きでしょ??」

あぁ、そうか。

今は答えられないか。

「俺は結菜のこと大好き………いや、愛してるよ」

耳を舐める。

小さい小さい、耳。





全てが愛しい。

結菜の一つ一つが、“俺”のもので、俺の一つ一つが、“結菜”だけの。


「ねー、もう俺以外の奴と喋らない??」

布を取りながら、俺は聞く。

怯える結菜。

再度、同じ質問をする。

「喋らない?」

少しトーンを低く、ボリュームを上げて言った。

小さい頷く結菜。

「ちゃんと結菜の声で聞きたいな」

「喋り、ません……」

「約束だよ。見られてないから大丈夫、なんて思っても、無駄だから」

大きく首を上下させた。

それを見た俺は、優しく微笑む。

「誓いのキス、しよっか」

俺のこの提案に、目を見開いている。

俺は返答は待たず、結菜の唇に自分の唇を合わせた。

「……………っ」

結菜の口へと舌を入れる。

逃げる舌を追う。

もれる吐息。

「んっ…………ふっ……」

唇を離し、俺は言った。

「約束だからね」

この言葉には、色々意味がある。

破ったら、“愛”という名の“拷問”。

待ってるのはそれだけだからね……………