「本当に、それで幸せになれるの?誠一さんのこと、好きなの?」 「幸せになる為に誠一さんを選んだのよ」 「だって、ジョーは?」 愛美は優香を睨んだ。 聞いてはいけないことだとは分かっていた。 「彼の名前はもう言わないで。もう私の記憶から消したの」 だけど、そう簡単に気持ちの整理なんか出来ない。 自分もそうだったから、分かる。 「本当は、ジョーを忘れたいから、この結婚を急いでいるんじゃない?」