立花 優香は大手広告代理店、丸善広告の営業部に配属されている。

女の営業はあまり期待されていなく周りの眼も冷たかったけれど、
優香の努力で徐々に認められてきていた。

「林、お前の指導のおかげだな」

「いえ、今回は彼女自身の力ですよ」

彼は優香を見て微笑んだ。

「―女だからって甘やかすんじゃねえよ」

舌打ちしながら小声で言っていたのが聞こえた。

藤井という、嫌味な奴だ。

「気にするな」

林が言ってくれた。


「A社には一人でも大丈夫だな？」

「はい！行ってきます」