キズナ


「―画家なんて先行き不安で、売れていられるのは今だけかもしれないじゃない」

「―ああ、そうだね」

「私は安定した公務員と結婚したいと思ってたところなの」

「…そうか…」

「―でも残念なことに、本当は私もずっと、ジョーのこと忘れられなかった」

「…そうか…って、ええ?!」

「…本当は、ずっと、会いたかったの」

今度は涙を隠さなかった。

「愛美ちゃん…」

ジョーは愛美を抱き締めた。

「もう、二度と離さないよ」