キズナ


「会う場所って…ここ?」

「うん、そう。もうそろそろ、来ると思うんだけど…」

ここは美術館だった。

「こんな所で、美香も連れてきて大丈夫かな?」

「大丈夫よ。是非連れてきて欲しいって、彼言ってたし、あ、来た!」

男性が走ってこっちに向かって来た。

「…どういうこと?」

「会いたかった!愛美ちゃん!」

ジョーだった。

「…この娘が、美香…?」

愛美が抱いている美香を見て、彼は涙ぐんだ。

言葉にならない様子。

「……本当に、ごめん、愛美ちゃん。何も知らなくて。全部1人で抱え込ませて」