「へえ…」

「何だよ」

じゃあ、以前はあったんだ。

「あ、もう一杯下さい!」

「飲み過ぎだぞ、明日仕事大丈夫か?」

「藤井さん、どうして私なんかを選んでくれたんですか?」

「え?」

「私みたいな、若い女の営業なんて普通採用しないでしょ?」

「…全く知らない奴よりも、信頼出来るだろ」

「藤井さん…」

私の能力を少しは認めてくれたのかな。

「それに、こんな若造が作る小さな会社にベテランは引き抜けなかった。安月給だったし」

「……そうですか」

聞くんじゃ無かった。