「―あの…実は…」

誠一は少し言いにくそうに言葉を探しながら言った。

「僕では無く、両親の考えなのですが…」

「何でしょう?」

「あなたの子供のことで…両親に話したら、二人共、怒ってしまって、結婚は認めない、と言われてしまいました」

「―そんな…」

「うちと、御社の丸善広告との契約も切ると言い出してしまい、らちがあきません」

「そんな!どうにかなりませんか?誠一さんと結婚出来なきゃ、私生きていけない…」

手を握り、誠一を見つめた。