アガサのお茶会

来たのは、隆斗君の家だった。


聞いてみると、親は海外転勤中で、
修斗君と2人暮らししているらしい。


それを聞くと、つい修斗君を思い出した。



……私何思い出してるの……。


今隆斗君とデートしてるのに。



気を紛らわす為に部屋を見ると、


ものは片付けられていて、シンプルだった。


というより、少し殺風景でもあった。


「はい、ココア」


「あっ、ありがとう!」


「…華音、ココア好きだったよね」


「えっ、覚えててくれたの?」


「そりゃあ当たり前だろ」


思わず笑顔がこぼれる。


嬉しい。嬉しい。


そんな気持ちがあふれていた。