私は今、
職員室のドアの前にいる。
昨日、夜遅くまで
書くのにかかった手紙を
握りしめ、
矢田先生のもとへと
やって来たんだ。


「失礼しまーす。
矢田先生いますか…?」


職員室のドアを開けると
すぐ矢田先生と
視線がぶつかって……


「どうした?」


いつもと変わらない様子で
微笑んでくる。


「あの…私
先生に手紙書いたんです。
最近元気ないなって思って……」


そう言って私は
先生に手紙を
手渡した。


「ごめんなぁ…
ありがとう」


先生はびっくりした様子で
だけどすごく嬉しそうに
手紙を受け取ってくれた。

私もそんな姿を見て
自然と笑顔になれた。


「あんまり1人で
抱えこんじゃだめですよ?」


私がそう言うと
先生は笑顔で
私の頭をポンポンってした。

うん、
いつも通りの
先生だ……

「それじゃ、私
戻りますね!!」


私は
そう言って
教室へと続く廊下を
歩いていた。