「お藤、おいで。」






雪洞は、庭で黒猫と遊んでいた。







名はお藤 オフジ。







雪洞が座敷持ちに昇格したころ、美楼閣に迷い込んできた。








飼おうと名乗り出るものはいなく、全ての積を負うということで、雪洞が飼うこととなった。







「雪洞。」







後ろから、雪洞を呼び声があった。







「凪雛姐さん。何か用でありんすか?」







「いや、少し時間があいたんでね。」







そう言って、雪洞の横に腰をかけた。







「まさか、姐さんともあろうお方が。お暇だなんて・・・」