「姐さんは、雪洞のことをずっと気にかけていたよ。」









「最後の最後まで・・・」









凪雛は、雪洞の手を優しく握った。








「地天神、水火木神、加えてこの世のすべての神々よ。汝の心を癒し、幸を与え、未来を残しておくんなし。ここに凪雛がお頼み申しんす。」









「一生の願いでありんす。」









「雪洞、誕生日おめでとう。」









凪雛は、静かに雪洞から手を離し、静かに後退していった。









そして、籠が持ち上げられ、吉原を出る。









「凪雛姉さん、いつまでも美しく、いつまでも幸せでいておくんなし。」









雪洞は小さく呟いた。








仄かに光る、雪洞を抱いて・・・