「これを、わっちは風華姐さんに、もらいんした。」









静かに、雪洞に近づいた。








「見て分かりんしょう?雪洞といったって、仄かな灯り。お前の顔だって、まともに見えやしない。」









「吉原という漆黒の闇。そこで頼りになるのは、儚げな雪洞という灯りだ。」









「お前はなるんだよ。雪洞という静かな灯りに・・・」








そう言って、雪洞を手渡した。








そこに、小さく文字が彫られていた。








『美楼閣初代呼び出し花魁 風華』








「これは・・・」








「もともとは、風華姐さんのものだった。」