「この子は・・・・・・」







赤ん坊を手渡して、言った。







「わっちとお客様の間にできた子。」








そして、夜空を見上げていった。








「わっちは・・・明日、身請けされます。」








静かに・・・月が顔を出した。








「身請け?誰だ?」








「先秦倶の常連お客様なの。宿屋の若旦那。」









「最後に・・・天秤の顔を見たかった。」








カタッと小さな物音。







「風華姐さん・・・」







小さな声。