「なんだって・・・」







女将は呆然と立ち尽くした。







「この吉原一と詠われる伝説花魁風華が、お雛の代わりに先秦倶に行くと行っているんです。」








「風華姉さん・・・」







お雛が呟いた。







「お雛はだまっとき。わっちの問題さ。」









「オマエは行かせない。」








女将が唸るようにしていった。








「初代呼び出し花魁として、美楼閣の未来を守らんといけません。わっちが先秦倶に行けば、こっちに手が伸びることはないでしょう。」









「天秤。」








「あとは頼む。」








立ち尽くす中、一人だけ凛とした瞳を輝かせ静かに頷いた。