―雪女郎― 凪雛

「ねぇっ、さん・・・」







お雛は、訴えた。







「嫌でありんす。わっちはここにいたい!先秦倶なんかに・・・行きたくなんかありんせん!!」









濡れる瞳でお雛は必死に訴えた。









「だめだ。もう決まったことだ。もとはといえば・・・お前が悪いんでありんしょう?」








戸口から声が聞こえた。








「母さん・・・」








女将が、お雛を睨んで立っていた。








「ウチの花魁に重荷を負わせるな。さっさと準備しんさい。」









そう言って、乱暴にお雛の腕を掴み、引っ張ろうとした。








しかし、その手は第三者の手により呆気なく放たれた。









「やめておくんなし。その子は・・・この風華花魁の妹でありんす。」