「お藤。」






女将は、煙管をくわえながらお藤を撫でた。







「何か・・・用でありんすか?」







女将は何も答えない。







「姐さんの事ならもう・・・いいんです。」








雪洞は無理に微笑んで言った。







「もう・・・いいでありんす。」








「も、もう・・・・・・」







涙が頬を伝った。







雪洞は、静かに泣いていた。








雪の降る満月の下で・・・