「ちょっと!!雪洞ちゃん!!!」






美楼閣に遅い朝が訪れていた。







自由なこの時間、雪洞は自分の座敷で二度寝に励んでいたところ・・・








織閖が血相を変えて、座敷に飛び込んできたのだ。








「どうしたんでありんす?」







瞼をこすりながら言った。







「聞いてないの?噂!!」







「噂??」






雪洞は大欠伸をした。







「氷雨姐さんと、凪雛姐さんが美楼閣を去るって!!」







織閖のその一言で、雪洞は眠気が吹っ飛んだ。






(姐さんが・・・いなくなる?)