「氷雨!!」






同じころ、ある遊女がヒ氷雨を座敷へと呼んだ。







「お前がわっちを呼び出すなんて珍しいじゃないか?」







氷雨は呉葉を見て笑った。






「氷雨だって分かってるんでしょう?わっちがなんでアンタを呼び出したのか。」







氷雨は、煙管に火をつけた。







「そんなに急ぐことでもないとわっちは思うがね。」







はぁっと白い煙を吐き出した。








「あと三カ月だよ。」







「呉葉はどうするんだい?」







「迷ってるんだ。残ろうか、出て行こうか・・・」







「流石呉葉。身請けの話があるのか。」