向かい合わせの恋




あたしは…


「知ってるんだからね!あの夜…直兄が…直…兄が…」


「ばか、何また泣いてんだよ。」



「だって…直兄が…!」


直兄が…


そう言って涙を流すあたしをなだめるように直兄は今度は正面から抱き締めた。


まるで子供をあやすかのよえに背中をポンポンと擦りながら…


「…直兄なんか、嫌いなんだから!」



「おい、何でそうなる…」



「だって…」


直兄はあの夜…



「エッチして帰ってきたもん!」


「は…おま…!バカっ。」


そんなこと大声で言うな!女の子だろ。


と少し怒るように言った直兄。





…けどやっぱり否定はしないんだね。