「…あたしだけこんなに好きで苦しくて惨めで…」 「…梨乃」 「小さい時からあたしだけの直兄だったのに…何で…」 もう嫌だ… これじゃあただの八つ当たりだってわかってる。 けど一度開いた口から次から次へと言葉が流れていく。 「誰にも渡したくないよ…」 涙が何粒も頬を流れ落ちてまたワンピースにシミをつくっていく。 あたしって本当にガキなんだ… だからダメ。 直兄の隣には並べない。