あんなことを言った手前、直兄に会うのはきまずい… 自分から言ったくせに会いたいなんて… 少しだけ、本当に少しだけ、直兄に言ったことを後悔してしまってる自分。 「梨乃。」 …は!? 今、直兄の声…しなかった? え…? まさかね。 たった1日会ってないだけであたし幻聴まで聞こえちゃうわけ? 「はは…あたしやば…。」 どんだけ…。 だけど…、 「梨乃…俺だけど…。」 って…。 まさか…。 あきらかにドアの向こうから直兄の声。 まさかまさか、本気でいるの?