向かい合わせの恋




AM8:00




梨乃が来る気配はまったくない。


本気…なのか?




まさか。




だって、あいつ俺がいないと何にもできねーだろ?


小さいときから直兄!っていつもくっついてきて…





くっついてきて…




っていつの話ししてんだ俺は…






それは昔の話。




そうか…




梨乃はとっくに俺から離れて、どんどん大人になろうとしていたんだ。







ただ俺が…



俺だけが梨乃離れしていなかっただけ。





「…は、だっせえ。」




一言そう吐き出した俺は、初めて梨乃に起こされずに布団から出た。