はあ…
あいつ、彼氏とかいんのかな?
そういう話、俺には全然してこねーからな…
昔からそう。
恋話なんてないに等しい。
けどぶっちゃけ、
ぶっちゃけだよ。
梨乃はかなり可愛い。
俺から見れば可愛いのなんて当たり前。
けどそうじゃなくて世間一般から見てもっていう話。
だってたまに抑えが効かなくなるくらい。
22歳の俺でもこんなんなのに…
思春期真っ只中の高校生はどうなんだ?
なんてしょっちゅう心配してる。
だからあんなスカート短けーのも危ねんだっつの。
何で俺だけこんなに悩まなきゃいけねえんだよ。
「柳下君…。」
そんな時、後ろからソッと囁かれた。
「田中さん…ども。」
例の俺と噂されてる人、田中さん。
俺の6つ上の上司で見た目も中身も完璧な女。
入社当初から何故か気に入られて…
「今晩…わかってるわよね?」
「…はい。いつもの場所で。」

