PM7:24
カナミがバイトを終えて家に帰る途中。
今朝の捨て猫がついてくるのに気づいた。
「!?」
黒い子猫は,大きな眼をカナミに向けてコテコテとついてくる。

痩せて,汚くて。
傷だらけの子猫。




嗚呼,あたしみたいね…なんて醜いの。
誰にも愛されずに死ぬのかな。




カナミはコンビニの袋から,明日の昼食にするはずだった安いパンを出して子猫に放った。
子猫は驚いてシャーと威嚇したがすぐにパンをむさぼり始めた。

カナミはそれを見て,すぐに家へと向かった。