捨て猫に愛をください

そして俺は中学校に入学するまで箱を開けなかった。

でも、中1の春。
あのイジメが勃発して、俺は箱を開けた。

イジメっ子たちに殴られ、蹴られ、またイジメっ子たちに殴られ、蹴られ・・・

ある日。
川に突き落とされた。

どうしようもないくらいにボロボロで、びしょ濡れで。


でも。


あの箱だけは大事に握っていた。
また先生たちに取り上げられそうになったのを無我夢中で奪い、学校を飛び出した。

肺が痛いけど、カラカラに乾いていたけど、走って走って走って・・・

転んだ。



全てが悔しくて

全てが憎たらしくて

全てが絶望で・・・



俺はずぶ濡れのまま
大声で泣いた。