「坊ちゃん、父親が憎いか」
ブランコに乗っていたら、ゴツいサングラスのお兄さんに声をかけられた。
「・・・・・・・・・」
「母親が死んで・・・また別の女と結婚しよった父親が憎いか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「さみしいやろ。」
・・・コク・・・
「きっと死んだ母ちゃんもさみしいぞ。」
「・・・」
「母ちゃんはな、お前に笑ってもらいたいねん。
もっと強くなって、友達ぎょーさん作って元気で・・・」
「寂しくない・・・。
この指輪・・・お母さんの形見。
僕は、お母さんとずっと一緒だ。
」
「そっか・・・」
「約束したんだ、お母さんと・・・。
辛いことがあっても泣かないって」
「坊っちゃん、指輪見してみぃ」
「・・・・・・・・・・・・。」
俺はそのとき、無言で矢井田さんに指輪を渡した。
矢井田さんは、ひしゃげた煙草の箱に、そいつを入れて俺に差し出した。
「辛うなったら、この箱開けて見てみぃ。」
ブランコに乗っていたら、ゴツいサングラスのお兄さんに声をかけられた。
「・・・・・・・・・」
「母親が死んで・・・また別の女と結婚しよった父親が憎いか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「さみしいやろ。」
・・・コク・・・
「きっと死んだ母ちゃんもさみしいぞ。」
「・・・」
「母ちゃんはな、お前に笑ってもらいたいねん。
もっと強くなって、友達ぎょーさん作って元気で・・・」
「寂しくない・・・。
この指輪・・・お母さんの形見。
僕は、お母さんとずっと一緒だ。
」
「そっか・・・」
「約束したんだ、お母さんと・・・。
辛いことがあっても泣かないって」
「坊っちゃん、指輪見してみぃ」
「・・・・・・・・・・・・。」
俺はそのとき、無言で矢井田さんに指輪を渡した。
矢井田さんは、ひしゃげた煙草の箱に、そいつを入れて俺に差し出した。
「辛うなったら、この箱開けて見てみぃ。」
