PM7:32
「お兄ちゃんごめんね」
栗色の傷んだ髪。
蒼白の顔。
長い睫毛。
色の無い唇…
細い体。
悲しげな眼はどこまでも澄んで美しい。
「・・・何言ってんだ」
「私がこんな体じゃなければ・・・お兄ちゃんは悪い事しなくていいのにね」
「ナツミ・・・」
「お兄ちゃんごめんね。」
「・・・・・・謝んなって。兄ちゃんはナツミの為なら何だってするんだ。」
「お兄ちゃん・・・もう悪い事しないで。」
「ナツミ・・・・・・?」
「私,ずっとお兄ちゃんと一緒に居たいから・・・もう悪いお薬運ぶの手伝わないで・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「私はもうすぐ死ぬから」
「───────!!」
「私の為に無理ばっかりして・・・」
「無理じゃない!」
自分の掠れた声が部屋中に響いた。


無理じゃない!
死ぬなんて言うな!!
お前は死なない!!
死なせない!!
なぁ元気になったら一緒に,おふくろの墓参りに行くって約束しただろ・・・
セーラー服姿見せるんだろ・・・

「笑え。ナツミ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ナツミ・・・ナツミ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・痙攣!?
───…救急車!!