「二人に‥二人にさせてください」


部屋にいたお姉ちゃんや医師が、静かに部屋を出ていった


瑠奈は、枕元に置いてあった写真立てをそっと手にとる



そこには幸せそうな、智也と瑠奈の姿があった




写真を見ながら、智也は何を思っていたのかな?




何度一人で、涙を拭ったのだろう‥





「‥愛してるよ」



冷たい唇に、そっとキスをした




その時、一枚の紙切れが目に入った


細かく折られた紙を、ゆっくり広げていく





「‥ほんとに‥馬鹿なんだから‥っ」



もう、溢れでる涙を止めることはできなかった



小さな紙を握りしめながら、大声をあげて泣いた




「やだよ‥いかないでよ!‥一人にしないでよ!」



智也に抱きついて、泣き叫んだ



「瑠奈っ!」


その叫び声を聞いて、雅也が飛び込んできた


そして、瑠奈の震える肩を力強く抱き締めた



.