第4章


宏香にそんなことがあった
今日も、いつものように、
塾があった。



(花梨ちゃんに話しかけよう!)



そう決心した優香は、
心の中で強く頷いた。



「こんにちはー。」



塾に入って、受付のお姉さんに、
いつもより元気よく挨拶しながら
教室に向かって行く。



「あ、宮下さんこんにちは!
 カード通してね。」



塾専用のカードを、
機械に通すと、



宮下優香は、何時何分に
塾に到着しました。



という情報が、母親のイーメールに
届く。



「はい!」



カードを機械に通しながら、
花梨ちゃんのことを聞こうかな、と
優香はぼんやりと考えた。



「あの、お姉さん。」