第3章


「きゃあっ…!
 これって…!」



翌朝、宏香が昇降口で
悲鳴を上げた。



「どうしたの?」



親切を装ったのじゃなくて、
本心で、優香は宏香に訊いた。



「宏香、どうしたの?!
 大丈夫?!」



なんて、大袈裟に訊いたのは、
言うまでもなく、美嘉。



「どうしたの。」



と小声で呟き、実奈は宏香に
近付いた。



「こ、これ…見てよ!」



もしかして、隣のロッカーに、
ラブレターが入っていたのだろうか。



宏香はそういう話が大好きだった。



「え、宏香に手紙来たの?」



優香は少しびっくりして声を上げた。
宏香に手紙って誰だろう。



(宏香は、私たち以外とは
あまり関わり持ってないのに。)