それを見た先生は 「え、ちょっ……ほんと、ごめんっ」 後ろをチラチラ見ながら、焦ってる。 あたしは何も言わず、ただ泣いた。 だって、あんな先生見たこと無かったし、怒ってるし…… 言いたいことはたくさんあるのに、嗚咽で声にならない。 「あー、泣くなっ」 その言葉で、また涙が溢れる。 「だってっ……ヒック……せんせぇがぁ……」 やっと声が出たと思ったら、言葉になってなくて。 先生は人気がないとこに車を停車し、 「あのな、実夏……」 あたしを抱きしめて 「ヤキモチ」 そう一言だけ言った。