コンクリートの冷たさが、背中に伝わる。
「ちょっ、ちょっと日比谷?どいて、くれないかな??」
「無理」
無理、って……
いくら人通り少ない道だからって、公衆の面前で……
「は、恥ずかしいし」
「恥ずかしい?嫌ではないんだ」
「……っ。嫌。嫌だからどいて」
コイツってこんなにSだっけ?
「だから無理だって」
いや、そー言われましても……
「本当に嫌なら、全力で抵抗しろよ」
悪戯っぽく笑いながら、日比谷はあたしの手を握った。
「ちょっ……!」
ぐっと日比谷の胸を押すが、男である日比谷はびくともしない。


