愛した名前



「ところで、さきちゃんは好きな人いないの?」


興味深々な顔で聞いてくるみとりちゃん。




「好きな人・・・」


けい

あきら・・・


「わかんない!へへ」

少し間をおいて、笑いながら答えた。


本当に、わかんないし・・・。





「邪魔。」


私達が話している時誰かが言った。


横を見ると・・・


「あっ・・・」


けい・・・


みとりちゃんはびっくりして後ろに後退りした。


「あ、」


私に気付いたけいが言った。


私はドキドキして黙ってしまう。


・・・そういえば、私けいと話した事ない気が・・・。


いつもメールだったから・・・。


するとけいが口を開いた。


「あれ?もう、バドできるの?」


細い目で私を見つめる。


ドキドキが止まらない・・・!


「あの、応援・・・しようかなって・・・」


やば。


少し声震えてる・・・。

なんでこんな緊張してんの!?


「ふ~ん」


そう言うとけいは私とみとりちゃんの間から玄関に入ろうとした。


玄関の戸に手を当てた時、けいは振り向き、


「俺の応援、よろしく。」


そう言うけいの顔は少し微笑んでいた。