愛した名前


「それでね、たくと君が話す女子ってさきちゃんくらいしかいないでしょ?」


みとりちゃんは困ったような顔で問いかけてきた。


「ん・・・まあ、そうかも・・・」


「それで、友達が・・・」


「?」


言いかけたみとりちゃんに私は首をかしげる。


「友達が、さきちゃんがいるから他の子と話さないんだって言って・・・私、たくと君と話してるさきちゃんの事友達と一緒に睨んじゃって・・・」


反省したようにしゅんとするみとりちゃん。


私はじっと見つめ、にっこり笑いかけた。


「わざわざ素直に言ってくれて、ありがとう。・・・どうして、言ってくれたの?」


みとりちゃんはすぐに言う。


「さきちゃん、悪い人とは思えなくなってきちゃって!・・・友達になってくれる?」


「もちろん!ついでに、恋の手伝いもしちゃうー♪」


なんだか、嬉しくてみとりちゃんの両手をつかんでしまう。


すると、みとりちゃんは微笑んで「ありがとう」と言った。