あきらは ちゃん付けなのは分かっていたけど、あえてそのままにしておく。
私的に、普通に言ってくれた方が嬉しいから・・・とか言って。
「チョコ食べよ~?」
私はあきらがくれたチョコを見せる。
「いいよ、食べな」
「えっ!一緒に食べようよ!」
私一人で食べれって?
寂しい事言わないでよ!
「え・・・いいの?」
不思議そうに私を見つめる。
「うん。あきらも好きなんでしょ?チョコ」
「・・・さきちゃんて、本当はこんなに優しいんだぁ!」
「・・・」
あきらの発言に苦笑いで目をパチクリさせる。
そりゃあ、今までの行動とか思い出すと優しさの欠片もないかもだけどさ、
普通、本人の前で言わないよ!
心にしまっておいて!
自分で言うのもなんだけど、私、けっこう優しいと思う・・・。
「よし、じゃあ、俺が開けてあげる~♪」
私が少し落ち込み気味なのも知らずに、またいつものテンション。
「はいっ」
あきらが少しだけ銀紙をむかれた、私の大好きな板チョコを差し出す。
「あきらのは?」
「そのままかじってみて!少しずつ食べるより美味しいから」

