「あ、そーだ」


桜井君はそう言うとぽっけから何かを取りだす。


「あっ!食べ物の制限とかある?」


そう言った桜井君の手には前にもくれたことのある赤い箱・・・。


「ない・・・」


「良かった。これ、好きだよね?」


桜井君は赤い箱に入っているチョコを差し出した。


私はゆっくりと受け取る。


「・・・ありがとう」


なんだか、今日は素直になれる。


そんなことがなんだか嬉しい。



私の大好きなチョコ。

私の大好きな人。


「あきら・・・」


小さくつぶやいたその言葉は、桜井君の下の名前。


桜井君じゃなくて“あきら”って呼んでみたい。


「え・・・っ」


びっくりしているけど、嬉しそうな桜井君の顔。


そんな顔が、愛しいよ・・・。


「あきらって呼んでぃ・・・ゎっ」


言いかけた私をいきなり抱きしめた。


「・・・桜井君・・・?」


「あきら・・・で、お願いします・・・」


私の耳の横で桜井君が言った。


「あきら・・・」


そう言った自分の顔がにやける。


すると、あきらは私の正面を向いて、


「さきちゃ~ん、大好き!」


と、笑顔で言った。