そんなの行くに決まってんじゃん?


私が2階へ上がろうとすると、お母さんがまた私を止めた。


「さきっ」


「・・何?」


私は笑顔で聞く。


「・・・その大会のね、協会の人が・・・」


お母さんは寂しそうな顔をしながら口を開く。


「亜杏を1年預かりたいって言ってるの」


お母さんは真っ直ぐな目で言った。


私は意味がわからず聞き返す。


「え?」


「今年の大会は1番にはなれないかもしれないけど、1年間びっちり鍛えて来年の大会に望めば、日本1も、世界にも通用する程にもなるだろうって・・・」


「世、界?」